過去作品のオマージュについて

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こんにちは。
 まずは、『黄金のレガシー』発売おめでとうございます。そして、いつもお疲れ様です。有難うございます。

 『黄金のレガシー』をクリア致しまして、ストーリーについての感想も色々あるのですが、今回は、過去作品からのオマージュ部分について、感じた事を投稿致します。

 『黄金のレガシー』及びこれまでのシナリオのネタバレになる事、批判的内容である事、そして当然ながら、あくまでも私1人の個人的な考えである事を、先にお断りしておきます。
 また、文章が拙い上にとても長文になる事も、先に謝罪致します。誤字脱字、伝わりにくい箇所がありましたら、大変申し訳ありません。


 私は、FF9という作品は、間を空けて2回、楽しくプレイしました。しかし、2回ともかなり過去の事で、細部は殆ど忘れており、好きな作品ではありますが、ファンとは言えないだろうと思います。
 その私が、終盤のエリアや登場キャラクターたちに抱いた感想は、失礼ながら「FF9へのリスペクトはある?」でした。同時に、「FF9のファンの人たちは、この扱われ方を喜ぶのだろうか?」「この様な展開のストーリーであるならば、FF9のオマージュにしなくても良かったのではないか」とも。

 その後、あるFF9ファンの方が書かれた、大変興味深い考察文を読みました。
 それを読んで、成程、何という巧みなオマージュの仕方だろう、確かにリスペクトされていたんだな、そこを疑ってしまったのは失礼だった、申し訳なかったな、と思いました。

 ですが矢張り、この表現のされ方そのものへの疑問は拭えませんでした。
 どれだけ深く細やかに考えられた内容であったとしても、一見しただけでは過去作品の否定や破壊に受け取れる表現は、その作品のファンを落胆させるリスクが大きく、オマージュする意味がない、寧ろマイナスではないかという印象は変わりませんでした。

 受け手側の知識や、挑戦的な方法への理解が乏しいと言われてしまえば、そうなのかも知れません。
 しかし大切なのは、オマージュの仕方がどれだけ凝っているかではなく、それがFF14のストーリーを楽しむ際の障害にならない事ではないのでしょうか。

 過去作品へのオマージュは、その作品を知っているか知らないか、その作品への思い入れがどうかであるかでも、それを取り込んだ新作ストーリーへの感想は変わって来ます。

 私個人が過去にプレイをした事のあるFFシリーズは7〜10で、その中でFF8の大ファンです。

 拡張直前の、ヴォイドムーンのストーリーは、周囲からの事前情報で、薄っすらFF4の内容を把握していた、といったところで、“FF4のオマージュ内容”への感想は特にありません。
 知っているからこそ楽しかったという部分もなく、知らなかったから置き去りにされたと感じた部分もありませんでした。

 ですが、その前の『次元の狭間オメガ』シリーズの、シグマ編1層のラストに出て来るキャラクターについては、「この人たちは誰だろう? 後で掘り下げられるのかな」でした。
 その後、FF6のオマージュである事を知り、「そうだったのか。であれば今後の掘り下げは特にないんだな」と納得はしたものの、言い方がとても悪くなってしまいますが、“FF6を知らないプレイヤーにとっては、混乱を招く不必要な演出”と感じてしまいました。

 次に、FF8のオマージュであった『希望の園エデン』シリーズですが、こちらはFF8の1ファンとしては、とても嬉しいオマージュのされ方でした。
 シリーズのタイトル通りの希望に満ちた内容で、過去作のキャラクターの取り込み方もストレートで分かり易く、特徴的な台詞の使い方もとても楽しめました。
 ただ1点、光(闇)の戦士が突然屈伸運動を始める場面だけは、FF8を知らない人には全く意味の分からない行動、知っていたとしても「自分のヒカセン(ヤミセン)像には合わない行動」だと感じるプレイヤーも多いだろう演出だったと思います。

 吉田プロデューサーは常々「サプライズが大切」と仰っています。FF16発売の際には「楽しいゲーム体験をして欲しい」とも。
 ※私の曲解や記憶違いであった場合は、本当に申し訳ありません



 『黄金のレガシー』に於けるFF9のオマージュは、深い考察を読んだ後では、とても良く練られ、上手く『黄金』ストーリーに落とし込まれたオマージュだと思えます。そして確かにサプライズでもありました。
 ですがそのサプライズは、“楽しいゲーム体験”になったのでしょうか。

 過去作品のオマージュは、プレイヤー側が望んでいる事でもあります。私自身も、FF8がオマージュされた事はとても嬉しかったですし、楽しかったです。
 でも、嬉しく楽しく感じられたのは、分かり易く前向きな取り込まれ方で、『希望の園エデン』そのもののストーリーをぼやけさせる事も、そこから気を逸らされる事もなかったからです。

 繰り返しになりますが、FF14というゲームで1番大切なのは、FF14のストーリーに没頭し、楽しめるかどうかだと思います。
 過去作品へのオマージュ部分に感情・感想の大半を持って行かれてしまったのでは、FF14のシナリオとして成功していると言えるのでしょうか。



 『漆黒のヴィランズ』『暁月のフィナーレ』ともに、外部作品を上手く取り込んだ、素晴らしいシナリオだと絶賛されています。
 ですが常に、文章に携わる方々も唸る様な、外部からの要素をふんだんに且つ緻密に取り込んだ、技巧を凝らした内容でなくとも、勢いよく流れに乗れ、素直に受け止められる王道のシナリオでも良いと、私は思うのです。

 私は文筆家でもなく、ゲーム製作に携わった経験もありませんが、この拙い投稿文を書くだけでも大変に頭を捻り、時間が掛かっている事からも、どれだけ難しいお仕事であるのかは想像が出来ます。
 ですが、想像が出来る程度、です。
 その様な私がシナリオの書き方について口を出すような行為は、大変烏滸がましいのだろうと思います。

 それでも、FF14の1プレイヤーの個人的立場から、またFF14はプレイヤー個人個人が各々のヒカセン像を持つシステムのゲームである事から、運営の皆様にお願いしたい事があります。

 今後、FF14で過去作品や外部作品のオマージュをされる場合、どうか、それらの作品を知らなくても「一体これは何だ?」とならない、そして、それぞれの作品を愛するプレイヤーが、素直に「オマージュされて嬉しい!」となる取り込み方にして頂きたい。
 また、オマージュ部分に限らず、各プレイヤーがそれぞれ持っている独自のヒカセン像を、出来る限り壊さない演出にして頂きたい。
 肝心の“FF14のストーリー”に集中出来る内容にして頂きたいのです。



 長々と批判的で身の丈を越えた意見を書いておいて言い訳じみてしまいますが、勿論感謝も応援もしておりますし、今後もFF14というゲームを楽しんで行きます。

 ここまでお読み頂き、有難うございました。

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